Byungchae Ryan Son

重すぎて(?)怖かった映画『ラーン』

作成: 2024-05-07

作成: 2024-05-07 16:59

タイのホラー映画『ラーンジョン』は、映画『哭声/コクソン』で有名なナ・ホンジン監督が原案を書き、製作に携わって制作された作品です。

先祖が犯した罪によって、理不尽に殺害された無数の魂が、悪霊となり、一見平凡な若い女性『ミン』に入り込み、起こる事件を描いています。しかし、公開後、期待に反して、不必要に残酷なシーンが溢れ、不快な映画だとするレビューが殺到しました。私も映画公開後に劇場を訪れましたが、フェイクドキュメンタリー形式を採用した、無秩序なハンドヘルドショットの特徴によるものか、頭痛が酷くなり、結局人生で初めて途中で鑑賞を中止して帰った記憶があります。

しかし、実際、私にとってこの映画全体を通して最も印象的なシーンを挙げるとすれば、それは『ミン』がオフィスでカメラマンと巫女について話すシーンでした。

重すぎて(?)怖かった映画『ラーン』

太陽の光が明るく差し込む、白い壁が主体で、ピンク色の担当者案内文がポイントカラーとして調和した明るいオフィスの背景。そして何よりも、明るく笑う20代の女性の無邪気な姿は、私たちが日常でよく出会う平凡な同年代の人々の姿そのものだからです。このシーンが存在することで、その後、徐々に奇怪で凶暴になっていく『ミン』の行動がより強調されます。

また、このシーンは、カメラの前に座って笑っている人が、実は誰かの大切な娘であり家族であることを認識させる基盤を作り出します。その後、映画全体を彩る残酷なシーンを作り出す『ミン』。その度に、彼女の四肢を掴んでいるのは、彼女の親族や家族であり、このように急激に変わってしまった『ミンの』体内に住み着いた無数の悪霊は、ミンの先祖が犯した罪によって生まれた業の報いです。

違反実験を想起させる

社会心理学の分野で、違反実験(Breaching Experiment)は、一般的な社会規範や概念に違反することで、社会的な相互作用の文脈を逆に際立たせることを目的としています。

通勤途中にコーヒーショップに立ち寄り、注文するために列に並んで待つ状況。その時、誰かが割り込み、自分の欲しいメニューを店員に伝える時、その瞬間、私たちはあまりにも当然のように私たちの生活の中に敷き詰められていた社会的な規範を確認し、それを基準にどのように反応するかを決定します。さらに、私たちはそれぞれが属している世界から強く影響を受ける社会的実体であるという気づきまで。

重すぎて(?)怖かった映画『ラーン』


実は重い個人の存在感

ラーンジョンは私にとってホラー映画として記憶されていますが、ここでの恐怖は、幽霊による状況から来るものではありませんでした。むしろ、私たちが出会う一人が、その背後に見えることのない数多くの血縁で繋がれた家族から世に出てきた存在であることを確認したきっかけとなった映画でした。

結論:一日を始め、そして一日を終える人生が続くということは、驚くべきことですが、そのような自分自身の現在に対して、大きな責任感を抱くべきではないかという考えに至りました。

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